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~弁護士が解説する!絶対に抑えておくべき離婚のキホン(その1)~

2023年3月30日

 今回は第1回目のコラムとなっておりますので、離婚のキ・ホ・ンについて、弁護士植田が解説していきたいと思います。この知識は、離婚をする上で前提として、是非とも知っておいてもらいたいものになります。

離婚するには次の3つに分けられます。

①協議離婚

②調停離婚

③裁判離婚

 通常のこれらの離婚手続きの流れは、まずは、夫婦間で話合い(協議離婚)、それでダメなら、家庭裁判所に入ってもらい話合い(調停離婚)、それでダメなら、裁判という形で裁判所に離婚について判断してもらう(裁判離婚)になります。

 

 では、さっそく①協議離婚についてお話します。

(1)協議離婚

 民法763条は「夫婦は、その協議で、離婚をすることができる。」と定めています。この条文のとおり、夫婦が話し合うことで離婚することになります。夫婦の話し合いによる解決なので、双方のご両親、兄弟姉妹、友人、その他関係者が立会人となって、話を進めていくことも可能です。

 厚生労働省の調べによると、令和2年に全国で19万3253人が離婚しており、全国で約88.3%の夫婦が協議離婚の方法で離婚しています。都道府県別でみてみると、沖縄が92.5%と協議離婚率が高く、山形県が84.3%と一番協議離婚率が低いようです。しかし、多くの夫婦がこの協議離婚の方法によって離婚していることが分かります。

(2)離婚原因

 協議離婚は、夫婦の話し合いによって離婚の合意ができれば、離婚することができます。この場合、夫婦間で離婚の合意ができればよく、離婚の理由はどのようなものであっても構いません。たとえば、「夫の部屋が汚いところが耐えられない。」、「妻が家のことを何もしない。」、「何をしても喧嘩になってしまう。」「教育方針が一致しない。」などの事由でも夫婦間で合意ができれば問題ありません。

(3)協議離婚で決めること

 離婚となった場合に、話し合うことはまず、i離婚するかどうか、ii子どもがいる場合は親権者を必ず決める必要があります。その他、ⅲ慰謝料をどうするか、ⅳ財産分与をどうするか、ⅴ養育費をいくらとすべきか、ⅵ年金分割をどうするか等を話し合っていくことになります。その他、ペットはどちらが引き取るのか、再婚した場合どうするのかなど柔軟に話し合って決めることができます。

(4)話合いがまとまったら

 話合いがまとまったら、協議離婚書を作成することをオススメします。インターネットで「離婚協議書 ひな形」で検索してもらえれば、複数出てくるかと思います。離婚協議書を作成した方がいい理由としては、あとで言った、言わない、決めた・決めてないの争いが起きないようにすること、大切な決断なので文字にして決めた内容を確認すべきことからです。

 また、協議離婚書を作ったら、その合意に基づいて手続きを進めます。離婚届は、役所においてありますし、インターネットでダウンロードしたものに記入しても構いません。また、離婚届けには、親権者の定めを書く欄がありますので、必ず記載するようにしてください(その意味で離婚と親権はセットなんです。)。その他、証人2人の署名押印が必要となります。本籍地と異なる役所で離婚届を提出する場合には、戸籍謄本を添えて役所に持って行く必要があります。

(5)弁護士がお手伝いできること

 弁護士は依頼者から弁護士報酬を受け取って、弁護するので、夫と妻との双方から原則として、依頼を受けることはできません(例外:仲裁合意がある場合等)。したがって、双方が弁護士報酬を負担し、弁護士が裁判官の代わりに判断するということはケースとしては少ないです(弊所ではこのような形での依頼形式を採用しておりません。)。

 そのため、弁護士としては、夫または妻の一方側の代理として、相手方と交渉に当たること、夫婦間でまとまった離婚協議内容を離婚協議書という形にする文書作成等でお手伝いすること、法律上どのような定めになっているのかのアドバイス等ができます。

 弊所では、まずは、夫婦間の取り決めなので、夫婦間で色々とお話いただくことをオススメしています。その上で、法律問題、手続きの面で分からないことがあれば、わかりやすくアドバイスをしています。是非ご相談ください。

弁護士 植 田  諭